未来を乗り換えた男

ナチスによる悪夢的史実と現代の難民問題を驚くべき発想で重ね合わせ、祖国を追われた人々が希望のありかを見つけようとする姿をサスペンスフルに描いたドラマ。祖国ドイツで吹き荒れるファシズムを逃れてきた青年ゲオルクは、ドイツ軍に占領されようとしているパリを脱出し、南部の港町マルセイユにたどり着いた。行き場をなくしたゲオルクは偶然の成り行きで、パリのホテルで自殺した亡命作家ヴァイデルに成りすまし、船でメキシコへ発とうと思い立つ。そんなとき、一心不乱に人捜しをしている黒いコート姿の女性マリーとめぐり合ったゲオルクは、美しくもミステリアスな彼女に心を奪われていく。しかしそれは決して許されず、報われるはずのない恋だった。なぜなら、そのマリーが捜索中の夫は、ゲオルクが成りすましているヴァイデルだったのだ…。原作は、1930~40年代にかけて、ナチス政権下のドイツから亡命した小説家アンナ・セーガースによる「Transit」。監督は『東ベルリンから来た女』『あの日のように抱きしめて』の名匠クリスティアン・ペッツォルト。ミヒャエル・ハネケ、フランソワ・オゾンに起用され、今ヨーロッパで最も注目を集める若手俳優たちが出演し、ペッツォルト作品に新たな風を吹き込んだ。
[Transit/2018年/ドイツ・フランス合作/102分/DCP]

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